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炭素繊維の種類と用途

 炭素繊維は、その優れた特性から、様々な用途に幅広く利用されています。また、原料、製法及びそれらの諸条件により異なった特性の製品が得られます。炭素繊維の製品形態の種類と主な用途は次の通りです。


製品種類 製品の仕様 主な用途
フィラメント 多数の単繊維から構成される長繊維束。撚り有り、撚りなし、撚り戻しの種類あり。 CFRP、CFRTPまたはC/Cコンポジットを補強する材料で、航空宇宙用途、スポーツ用途、産業用途
トウ 極めて多数のフィラメントから構成される長繊維束で撚りのないもの 同上
ステープルヤーン ステープル紡績より得られる糸 断熱材、摺動材、C/Cコンポジット基材
クロス フィラメント、ステープルヤーンにより構成される織布 CFRP、CFRTPまたはC/Cコンポジットを補強する材料で、航空宇宙用途、スポーツ用途、産業用途
ブレード フィラメント、トウにより構成される編紐 樹脂補強用強化材。チューブ状成形製品基材として適する。
チョップド糸 サイジング剤で集束された長繊維状原糸、またはノンサイジングの短繊維状原糸を切断した短繊維束。 樹脂、セメントなどの機械的性能、摺動性、導電性、耐熱性の改良向け、C/Cコンポジット基材
ミルド 原糸を粉砕した粉末状のもの 樹脂、ゴムなどの機械的性能、摺動性、導電性、耐熱性の改良向け
フェルト・マット 短繊維状原糸をカーディングなどを行い、積層・ニードルパンチ加工、または有機質バインダーでマット化したもの 断熱材、成形断熱材基材、耐熱保護材、耐蝕フィルター基材
ペーパー 短繊維状原糸を湿式、または乾式抄紙したもの 帯電シート、電極、スピーカーコーン、面状発熱体
プリプレグ 炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた半硬化状態のシート状成形用中間材料。成形品の品質が安定しており、積層作業の自動化に適している 軽量化、高性能化を必要とする航空宇宙用途、スポーツ用途、産業用途
コンパウンド 熱可塑性、熱硬化性樹脂に各種配合剤と短繊維を加えて混和したのち、混錬して得られる成形用中間材料。 導電性、剛性、軽量化の利点を生かした電子機器の筐体、その他の部品