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用語解説

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用語解説

注: 見出し語の配列は五十音順で、欧文はアルファベットの読みを五十音に配列してあります。


RTM成形:Resin Transfer Molding
樹脂注入成形法。溶融した熱硬化樹脂を低圧化で金型に封入された強化繊維プリフォームに注入し、加熱硬化させる成形法.
ILSS:InterLaminar Shear Strength
プリプレグを積層してできる成形試験片の層間のせん断強度(単位:MPa).
アスペクト比:Aspect ratio
繊維の長さの直径に対する比.
圧縮成形:Compression molding
プレス成形ともいう.コンパウンドやプリプレグを型に入れ、加圧・過熱して成形する。熱硬化性または熱可塑性樹脂を母材とする.
後硬化:Postcure
一次硬化後、さらに耐熱性(高Tg)を付与するため、より高温で再処理する工程.
一体成形:Co-curing
表面シートとコア材でなるサンドイッチ板のように、2種の材料を同時に硬化し、接着させる成形法.
VARTM成形:Vacuum Assisted RTM
RTM成形法の一種.オスまたはメス型に強化繊維材を配置し、フィルムシートで密閉、真空下で樹脂を導入したのち加熱成形するプロセス.
Vf:Fiber volume content
繊維体積含有率(%).
ASTM
American Society for Testing and Materials/《米》材料試験協会.国際規格・標準の開発のための公開フォーラムの役割りを持っている。
AFW:Areal Fiber Weight
プリプレグの強化繊維目付.単位面積あたりの繊維の重量(単位:g/㎡).
SMC成形:Sheet Molding Compound
強化繊維と樹脂(熱硬化性または熱可塑性)からなるシート状材料を積層して成形する.
FRM:Fiber Reinforced Metal
繊維強化金属。MMC(Metal Matrix Composites)ともいう.
FAW:Fiber Areal Weight
織物の繊維目付。単位面積あたりの繊維の重量(単位:g/㎡).
MMC:Metal Matrix Composite
繊維強化金属.FRM(Fiber Reinforced Metal)とも云う.
オートクレーブ成形:Autoclave molding
型にプリプレグを積層してシート(バッグ)で覆い、オートクレーブ内で内包された空気や揮発物を真空除去し、加熱・加圧して硬化させる成形法.
経時変化:Aging
時間の経過にともなって生じる材料の変化過程と影響をいう.
限界酸素指数:Limited Oxygen Index (LOI)
難燃性を表わす指標。 燃焼開始時の酸素濃度で示す.
コア:Core
サンドイッチパネル用の低密度の芯材.ハニカム材、ウレタンあるいはPVCのフォーム材が用いられる.
サイジング:Sizing
炭素繊維の製造工程や、高次加工工程(織物工程、プリプレグ工程、その他の成形工程)での取扱い性を向上するため、収束剤など付与すること、及びその収束剤を云う.
残留応力:Residulal stress
成形加工後、成形物内部に存在する引張または圧縮応力.
CAI:Compression After Impact
衝撃後の圧縮強度で、損傷許容性を評価するための試験。航空機用途に複合材料が使用される際、重要なパラメータの一つ.
CFRTP:Carbon Fiber Reinforced Thermo-Plastics
炭素繊維強化熱可塑性プラスチック.
CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics
炭素繊維強化熱硬化性プラスチック.
CME:Coefficient of Moisture Expansion
CME:Coefficient of Moisture Expansion
CMC:Ceramic Matrix Composite
繊維強化セラミックス.主にシリコンカーバイドを母材とする.
C/Cコンポジット:C/C Composites
Carbon / carbon composite/炭素繊維強化した炭素が母材の複合材料.
Cステージ:C stage
熱硬化性樹脂の硬化行程で最終段階.
CTE:Coefficient of Thermal Expansion
熱膨張係数 (単位: 10-6/K).
シェルフ・ライフ:Shelf life
プリプレグ等のある温度下での保管寿命.
真空バッグ成形:vacuum bag molding
密閉されたフィルムでシールされた積層品を真空とすることにより大気圧で圧縮し、加熱成形するプロセス.
伸度:Elongation (at break)
試験片の破壊時伸び率(%).
繊度:Tex
糸束1000mあたりの重量.
層間剥離:Delamination
複合材料において、接着力不足で生じる層の分離.コア材からの織物などの層の剥離も含む.
体積抵抗率:Volume resistivity
炭素繊維を立方体として考え,繊維の長さ方向に相対する両面間に電圧を加えた場合の両面間の電気抵抗(単位:Ω・m).
耐熱酸化性:Thermal Oxidative Stability (TOS)
耐熱性の尺度のひとつ。 酸化性雰囲気中、高温(例えば、375℃)、所定時間での材料の重量減少率で示す.
タック:Tack
プリプレグ表面の粘着性で、積層作業性に必要な性質.
チョップド・ファイバー:Chopped fiber
一定の長さに切り揃えた短繊維で、マット、スプレイアップ法やコンパウンドに使用される.
トウプリプレグ:Tow-prepreg
熱硬化樹脂を含浸し、半硬化状態とした炭素繊維糸束.
ドレープ性:Drapeability
織物やプリプレグの型形状追従性(しなやかさ)
ハンドレイアップ成形:Hand lay-up
プリプレグ等の強化材を手作業で積層していくプロセスで、通常ハンドローラー、ブラシまたはスプレーを使用する.
BMC:Bulk Molding Compound
チョップファイバーやフィラーを混入した熱硬化性樹脂で、圧縮・インジェクション成形用の中間材料.
Bステージ:B stage
プリプレグやプレミックスのように、熱硬化性樹脂が半硬化した状態.
ピールプライ:Peel ply
複合材料の表面の接着性を改善するために、研削等で除去される表面基材.
比強度:Specific tensile strength
複合材料の特性を示すバロメーターの一つで、比重に対する材料の強度.炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、通常、鉄やガラス繊維強化プラスチック(GFRP)より大きな比強度、比弾性率を持っている.
比弾性率:Specific modulus
複合材料の特性を示すバロメーターの一つで、比重に対する材料の弾性率.
表面処理:Surface treatment
炭素繊維は、マトリックス樹脂との接着性を改善するため、その表面を酸化処理します。処理方法は、電解質水溶液中に浸漬した炭素繊維に電気を通じて電気化学的に酸化する方法が一般的.
疲労強度:Fatigue Strength
最大繰返し応力下における強度.疲労試験後の残留強度.
ファイバープレースメント成形:Fiber placement
テープ状にカットしたプリプレグや樹脂を含浸したトウを異形の型に配向させて硬化する成形法.本プロセスはフィラメントワインディング法に比べ、より大きな複雑形状において、早く材料を配向できる.
フィラメントワインド成形:Filament winding
樹脂を含浸したトウを用い、パイプや圧力容器の型に巻きつけた後硬化する成形法.
複合材料:Composite materials
異なる性質をもつ材料(通常、強化繊維と樹脂)を複合加工してできる、個々の材料より優れた性質・性能をもつ材料.
プリフォーム:Preform
RTMやC/Cコンポジット等の成形用基材で、強化繊維を立体的な形状にしたもの.
プルトルージョン成形:Pultrusion
樹脂を含浸した トウ、マットを用い、過熱した型を通して引き抜きながら硬化させる成形法で、断面形状が同一の連続した成形物が得られる.
ポット・ライフ:Pot life
プリプレグの可使時間。ワーク・ライフ(Work life)に同じ.
マトリックス:Matrix
複合材料の強化繊維が組み込まれる母材で、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂、金属や:炭素/セラミックなどを云う.
ミルド・ファイバー:Milled fiber
ハンマー・ミルなどで粉砕された繊維(通常1mm以下の極短繊維をいう).