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炭素繊維協会REACH見解

注意文

本書に関する注意事項

REACH規則における成形品の定義およびEU化学品庁から2008年5月に発行された“成形品に関する ガイダンス(*)”に於ける人造繊維の例をもとに、以下①から④の炭素繊維および炭素繊維製品は、 下記の通り「成形品」であると考える。
(*:Guidance on requirements for substances in articles [European Chemicals Agency, May 2008] )

①アクリル繊維(プリカーサー)、耐炎化繊維、炭素繊維について
・これらは人造繊維であり、成形品に区分される。

②ショートカットファイバーについて
・ショートカットファイバーはチョップドファイバーとミルドファイバーがあるが、いずれも繊維としての 形状を保っており、その形状(長さ、径など)が化学組成よりも機能発揮のために重要であることから、 成形品に区分される。

③プリプレグについて
・プリプレグはシート状、テープ状、繊維状などの形状をもって炭素繊維と樹脂とが一体化したものであり カットや積層、ワインディング等により所望の成形品の形状を形作ることができる。従って形状や表面 状態・デザインが、化学組成よりも機能発揮のためにより重要であることから、成形品に区分される。

④その他炭素繊維製品について
・炭素繊維および炭素繊維製品からなる織物、ブレード、不織布、カーボンペーパーあるいはこれらから なる断熱材などの加工品についても成形品に区分される。
・また上記炭素繊維や炭素繊維製品を基材としたコンポジット製品についても同様に成形品に区分される。

但し、成形品であっても意図的放出のある場合、または高懸念物質(SVHC)を含む場合は、別途 REACH規則に沿った対応が必要である。
また、各製品における油剤などの処理剤の脱落や使用時の化学反応における放出は意図的放出に該当しないと考える。

なお、上記は当協会がREACH規則および成形品に関するガイダンスに基づいて示した考え方であり、 EU化学品庁などEU当局の判断を確認したものではありません。 ご不明点などあれば、当協会までお問い 合わせ下さい。

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